執着

データベースに蓄積したデータが、笑ってしまうくらいあっさりと飛んだ。

もともと執着のない人間なので、消えたデータにさほど未練もなく、飛んだついでにデザインもかえてしまおうという次第である。

仕切り直し、出直し、というおこがましいものでもない。サブタイトルに入れているように、永遠の完成度75%というのらりくらりとしたものだ。

なにしろ私は、母に「し甲斐の無い娘」と言われ続けて育った。

あそこに行った、ここに連れてった、あの人にああいわれた……と事細かに覚えている母に「そうだっけ?」と返すばかりの娘は、物足らないこときわまりなかったらしい。

どうせ忘れてしまうものなら、無駄に覚えなくたっていいではないか、その場が楽しければそれで十分……と小さい頃はそこまでは達観してなかったが、最近は殊更そう思うようになった。

そういえば、昔から執着という言葉についてよく考える。

蒐集の類は、男の人なら無邪気さもあいまって見てられるが、女性がやるとどうも執着している気がしていただけない。物へのこだわりよりも、物を持っている自分へのこだわりに見えてしまうのは気のせいか……

そんなことばかり考えるせいか、時折あれこれ欲しくなる自分をより浅ましく思うこともあり、ならば、目利きになりたいと願ったこともあったが、残り少ない時間を思うとそれもやめた。

せめて「持たない」ことに執着してこれからは生きたいものだ。

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