東京の空は狭い

「東京の空は切り取られてますよね」

今回の旅は空について話す人によく出会った。

10月31日から博多、小倉、戸畑、門司となかなか濃密な二泊三日をすごしたが移動する先々で出会う人が口々に言うのだ。

「東京からですか、かっこいいですね」と(多分それ以上に何も見つからないんだろうなという感じの)言葉を投げかけられ、かっこいいですね、私は怖くて行けませんと続き、そして二言目には空についてコメントされることが多かった。

−−東京は、空が狭いですよね。

長らく東京に暮らしている私にとって、そうも立て続けに言われると何だか座りが悪い。

腹を立ててるわけではない、断じて。
なんていうのか、親友の彼氏のセンスの悪さを指摘されるくらいの距離感というのか、そんなに気になる? そこ大事? と。

とはいえ、あまりに耳につくので、考えた。逆になぜそこまで、私は気にならないのか、と。

歪に切り取られた空に慣れてしまったのか、空をそこまで身近に感じたことがなかったのか……。

もちろん空写真は撮るし、あぁ、晴れてるな、曇りだな、雨降りそうだな、ぐらいは空を眺めて思うが。

そこで気づいた。写真はただ自分が満足できる絵でしかなく、天気は情報でしかなかったんだな、と。

東京に住み続けて育つのは、傲慢さなんだろうか、とも思ってみたり。

「東京の空が狭い」の後ろにある「我がふるさとの空は広大」という誇りのようなものが少し羨ましくも思えた旅だった。

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